第一弾「現地訪問調査」

現地2日目(2月23日)

 6:30起床、朝ごはんもそこそこに急いで準備をし、愛媛県庁を目指します。

愛媛県庁訪問

 8:30愛媛県庁到着。とても厳かな建物です。
 防災危機管理課に伺うと、「地域福祉課」、「保健福祉課」、「県社協」の方たちがいらっしゃいました。
 愛媛県は事前にHPを確認してみて、とても多くの災害に対しての取り組みをしっかりとしていることが判ったのですが、それでも想像と体験したことには違いがあると思いましたので、311の経験から災害時の課題となりそうなこと事前に備えておくべきことなどをお伝えしました。
私たちは宮城県や仙台市の取り組みはよく判っていて、備えが足りていない部分も把握しているのですが、それと比較すると愛媛県はきっちりしていると感じました。私たちが特に重要と考えている地域住民がするべき取り組みも社協さんが頑張ってされていることも判りました。
 しかし、これから取り組まなくてはならないこともあると思いましたので、何かできそうなことがあれば、ご協力させていただければと思います。

津波被害地区現地調査2

 本当は去年避難所訓練でつながりを持った宇和島市を目指したかったのですが、沿岸を回るのは時間が掛かりすぎることから、 まずは真っ直ぐ南下して高知の沿岸部を目指しました。四国を縦断するというのは険しい山道を行くということになるのですが、曲がりくねった道をひたすら時間を掛けて走らなくてはなりません。
 到着したのは高知県高岡郡中土佐町。避難タワーがあちこちに建っているのが見えました。
まずは漁港で猟師さんたちにお話を伺いました。こちらの地域では各地区で自主防災組織を結成して避難訓練などをしているそうです。
しかし津波からの避難は間に合うと思いますか?との問いには「わからない」「微妙」との答えが…。
個人的に備えているものをお聞きすると、何もないという人もいれば、備蓄品ぐらいはある、との答えもありましたが、全体的に危機感のようなものは薄いように感じました(「自分が生きているうちには来ない」という70代ぐらいの人が何人かいました)。
うろうろして何人かにお話をお聞きしましたが、とにかく時間があまりありません。次の目的地、高知県庁に向かいます。

高知県庁訪問

 16:00高知県庁到着。「県庁」とはどこにも書いておらず「高知家」の表札(県民は皆「家族」だということだそうです)。
 訪問させて頂いたのは、その名も「南海トラフ地震対策課」。課長補佐の那須様にご対応いただきました。
 こちらの部署は南海トラフ地震に対して対策を行う各部門を統括する役目を担っているとのことで、計画を立てて各部署に指示を出したり計画の進捗を管理したりしているそうです。
 最初に高知県の取り組みをうかがったところ、まず何よりも命を守るということを最優先に、これまでの3ヵ年の実績で予想死者数約42,000人だったのを14,000人にまで減少できたということでした。耐震化や津波避難場所の整備、また住民の意識などの取り組みによるものだそうです。
28年度からさらに3ヵ年計画により犠牲者を限りなくゼロにまで減らす取り組みをしていくということでした。
この行動計画が分厚い資料(220ページ)にひとまとめになっており、どの部門が何をいつまでにやらなければならないのかが体系的にまとめられており、非常に素晴らしい資料をもとにお話をいただきました(しかも2部いただいてきました)。予想被害が大きい地域だけあってさすがに対策が整っていると感じました。
 こちらとしても備えの「ソフト面」で参考になりそうなお話を経験を交えながらお話させていただきました。やはり、訓練・マニュアル整備・防犯対策・各団体との事前協定などが重要で、またガイドラインを作った上で各地域に合わせて整備していくところまで行き届くかどうかはどの地域も課題ではないかと思いました。そういったところで何かお役に立つような活動ができたら幸いです。

帰路

 最後の訪問が終わり、一路空港を目指します。そして高知空港最終便19:25で羽田へ。あまり余裕がなく少々焦りました。
 東京駅から夜行高速バスで仙台へ着いたのが翌朝5:00。無事に戻ってきましたが、非常に疲れる旅でした。

まとめ

■今回は南海トラフ地震で被害が大きい徳島県、愛媛県、高知県3県の県庁を訪問させて頂きました。 (突然ですみませんでした)
■それぞれの県の取り組みが良く解りました。
■MDRCの団体・これまでの取り組み・311の体験から学んだことなどをお伝えしました。(別紙資料参照
■まずは「顔つなぎ」ぐらいはできたと思います。
■どのような取り組みができるかは今後検討・ご提案いたします。
■何か協力させていただけることがあれば、ぜひまた再訪させていただきたいと思います。
■香川県、和歌山県、三重県などにも足を運びたいと考えています。
■来年度の事業計画にも南海トラフ地震地域での取り組みを盛り込む予定です(内容は未定)。

 以上で今回のキャンペーンの報告を終わります。ご精読いただきましてありがとうございました。

(レポート:油井 了)

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